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ジパング レビュー

ジパング ジパング

かわぐち かいじ (著)
出版社: 講談社
(モーニングKC)


みらい『さて、もう一週してくるか』


ジパングはモーニングに長期連載されたタイムスリップモノの作品です。

物語は海上自衛隊のイージス艦【DDH-182 みらい】が海外派遣の為にエクアドルへと向かう途中大嵐に巻き込まれてしまい突如ミッドウェー海戦直前の1942年6月4日の太平洋上へタイムスリップしてしまいます。

当然、何が起きたか分からず、混乱するが移動中飛行機ごと撃墜され海中へ沈もうとしている軍人を主人公であるみらい副長の角松 洋介はこの世界に干渉してしまうこともいとわず救出し、それが帝国海軍通信参謀少佐、草加 拓海であったことにより太平洋戦争へ巻き込まれていくと言う話です。

ちなみにアニメ化もされ、物語の途中までが放映されましたが、みらいそのものを始めかなり設定が変わっています。
ただ、海上自衛隊の協力もありかなりリアル感があるように変更されているシーンもあります。


この作品には戦争物であり、イージス艦と言う多数の人間が生活する場所を舞台としているため名前ありの人物もかなり多く、帝国側、アメリカ側の人物も加えると名前が覚えきれないくらいいます。

ただ、そのわりに兵器に関してはメインが海戦なので、陸上兵器はほとんど登場しないですし、アメリカ側の艦も名前が登場する艦は(撃沈される)少なかったように思えました。

まあ、現代のイージス艦と太平洋戦争中の軍艦では単純な戦闘力は圧倒的にみらいの方が上なんですけど、主人公の洋介を始め戦争に挑むと言う展開はほとんどなく、仕方なく被害を最小限に抑えるため、日米両軍と戦ったと言う感じですね。

確かに、そうしなければ通常弾薬、燃料、食料はもちろん製造不可能なミサイル、レーダーは終戦まで保たないでしょうから。

この作品で、最も気になっていたのは何故、みらいはタイムスリップしたのかですが、この点は結局分かりませんでしたね。そしてどうやったら元の世界に変えることが出来るのかが問題でしたが、これも結局戻れませんでした。

ただ、世界はちゃんと元の通りに修正されたらしく、形状こそ(ある意味予定通りであり、旧みらいは周辺国に配慮して制限があった)変わったモノのみらいは同じ時間に存在し、梅津艦長以下隊員も洋介たった一人を除いてその場所に存在していました。

ちょっと哀しいですが、物語としてはこれ以上ないラストじゃないかなと思います。

こんどはちゃんと寄港することが出来たみらいですが、もしもう一週してたらどうなったんでしょう……。

(追記)

ジパング(講談社漫画文庫) が発売されました。

原作終了からそれほど経っていませんが、そろそろ発売するんじゃないかなぁと思ってました。

正直なところ設定の矛盾点とか結構あったりするんですが、そもそもみらいの装備品が海上自衛隊とは大分違うので仕方ありません。

初期設定が決まった頃からだと時代も経ったからある意味仕方がないのですが、やっぱりこの手の作品は圧倒的な差があってこそ面白いですね。

ですので、せっかくなら一個艦隊くらいタイムスリップするようなお話があっても良いかもしれませんね。



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