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新装版 沈黙の艦隊 レビュー

新装版 沈黙の艦隊
かわぐち かいじ (著)
(講談社コミックDX)
船体に傷つけちゃダメだよ
かわぐちかいじの名作沈黙の艦隊の復刊しました。
冷戦の時代、日米合意で秘密裏に建造された原子力潜水艦シーバットを乗っ取り独立国家【やまと】と宣言し、世界を震撼させた海江田四郎の物語です。
核兵器を搭載し、無限とも言える航行能力を持つ最新鋭潜水艦を国家とした世界最小にして最強の国家(シーランド公国なんてなかったし)
海江田は独自の理念を持って世界の安全保障の概念を変える事になる訳ですが、今考えるとかなり無茶振りな設定ですよね。
確かに核兵器は脅威ですが単艦ではやはり限界があると思います。
補給もなんだかんだ言って日本が協力してくれなかったら完全に詰んでましたよね。さすがに敵対国に協力を依頼したらアメリカが手段を撰ばなかったでしょうし。
元ネタは当然シーウルフ級ですが、コストの高騰と冷戦の終結によって量産が見送られた悲運の潜水艦です(まあそんなの、F-22とかB-2とかズムウォルト級とかいっぱいあるし仕方ないね)
実際にこんな事が起きたら日本はどうするのだろうかとか考えちゃいますね。
(追記)
原子力潜水艦は実は意外とみつかりやすいと言う欠点もあります。
まず、音がうるさい、船体がデカイ、浅瀬に入りづらいと言う欠点です。
もちろん、ずっと潜っていられるのは圧倒的に有利ではあるのですが、対潜にアメリカが全力出せば太平洋のどまんなかにでも逃げない限りいつかは気づかれます。
あとは、アメリカが近づきたくない場所を周回するとかでしょうか。
そういう意味でも対潜最強の日本と早々に手を組んだのは正解でしたね。
(追記)
やまとによる集団的自衛権の適用例はある意味現在の日本の状況にこそ必要なものではないでしょうか。
ある意味アメリカとの不平等同盟よりもよっぽど日本の為になりそうです。
もちろん、現実で原潜一隻と同盟を結ぶのはありえません(アニメくらいのぶっとんだ性能なら別ですが)
ただ、この海江田の考え方は第三次世界大戦を防ぐ為には必要かもしれませんね。
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